・・イストワール オブ エテルノ・・
『Histoire of Eternto』
第8話 惑わされし罪≪登場人物≫
エーレ=テナークス♂(26):女性受けの良いナイスガイ(笑)
年下には兄貴肌で面倒見の良く、年上には甘え上手。
口調は誰よりも軽くいつもお茶らけている。
自由と冒険をこよなく愛する弓使い。
主要武器は弓。
ツェッカ♀(??):小さな妖精。普段はお茶目で可愛らしいが、
少し心配性な所があり、だらしないエーレに
文句ばかり言っている。
メルクーア=シャヴア♀(38):黒いフードを身に纏い、
常に怪しげなオーラをかもし出している。
素性を知っているものはすくない。
ベルヴァルク=ガードナー♂(28):若くして多くの武勲を立てた武人。
冷戦沈着で多くは語らないポーカーフェイス。
レヴァンダ=オルグリオ♀(25):仕事に対しても真剣そのものでとても優秀。
冷静に物事を判断し、多くは語らない。
ロジック♂(35):自分に絶対的な自信があり、傲慢な性格。
賢いほうでは無いが戦闘に関してはものすごく頭が回る。
主要武器は双斧。
ニエンテ♂(不明):帝都に住む守護獣。威厳はあるが包容力がある。
獅子の姿を模している。
兵士①・兵士②:被り役
≪配役表≫ (3:2)
エーレ♂・ニエンテ♂・兵士①♂:
ツェッカ・レヴァンダ♀:
ベルヴァルク♂・兵士②♂:
ロジック♂:
メルクーア♀:
0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0--0---0----
≪大きな廃城跡≫
(片膝を着いて祈りを捧げている)
エーレ:「・・・(小さく息を吐く)」
ツェッカ:『エーレ、本当に良いの?』
エーレ:「あぁ」
ツェッカ:『暫く此処には帰って来れなくなるのね』
エーレ:「な~に、その気になれば
いつでも帰ってこれる。
それが故郷ってもんだろ」
ツェッカ:『誰も・・・居なくても?』
エーレ:「勿論だ(立ち上がりながら微笑)
・・・さて、女神さんに祈りも済んだし
俺達も運命の歯車って奴に
振り回されてみるとするか」
ツェッカ:『うん』
エーレ:「まずは、グランフェルを
本来の持ち主に届けるのが俺達の仕事だ」
ツェッカ:『それが終わったらどうするの?』
エーレ:「そうだな。それこそ
運命の流れ行くままにって感じで」
ツェッカ:『もうっ・・・(呆れた溜息)』
エーレ:「ツェッカ」
ツェッカ:『なに?』
エーレ:「これはお前が管理しといてくれ」
ツェッカ:『誇りと真実の聖剣、グランフェル』
エーレ:「こんなデカイもん持ち歩いてたら
目立ってしゃーない」
ツェッカ:『分かったわ』
エーレ:「よし。んじゃ、俺らは俺らで、
ご先祖様の力とやらを借りてくとすっかね」
ツェッカ:『そんなに不完全なモノで良いの?』
エーレ:「まぁ、大丈夫だろ。
このまま放置しといても宝の持ち腐れだ
良いモノほど良く使えってね」
ツェッカ:『ごめん。私の力じゃ
気持程度にしか目覚めさせられなくて』
エーレ:「十分。眠ってる状態よりは幾分マシだ。
後は俺の腕次第って所だな!」
ツェッカ:『エーレの腕なら心配いらないと思うわ』
エーレ:「当ったり前だろ」(微笑)
ツェッカ:『でも・・・何れ(いづれ)は
彼女にも会わないといけないわね』
エーレ:「ん?」
ツェッカ:『女神ヴァレスティア様の信託を受けし聖女』
エーレ:「そうだな。聖女さん美人だったら
わざわざ会いに行く甲斐があるんだけど・・・」
ツェッカ:『エーレっ!?』(頬を膨らませ)
エーレ:「・・・っと、時間だ(誤魔化す)
そろそろ出発するか」
ツェッカ:『あ、ちょっと待って』
エーレ:「どうした、忘れ物か?」
ツェッカ:『うん・・・』
メルクーア(N):「ディムアルサの眠る地。セアカルディア。
そこは嘗て、女神ヴァレスティアに罪を問われ
外界からも咎人と刻印を刻まれた者達が歴史を紡いで来た大地。
歪な過去と共に忘れ去られ、未知と化した外界から
混沌と渦巻くアルシャディアへ・・・己の運命と共に」
ツェッカ(N):『しばしのお別れね、セアカルディア』
レヴァンダ:「『Histoire of Eternto』イストワール オブ エテルノ)』
第8話 惑わされし罪」
≪帝都センテリオ門前≫
(床に倒れている数多くの兵士を見渡し)
レヴァンダ:「城下の様子もおかしいと思いましたが
城内の精鋭までもやられているようです・・・」
ベルヴァルク:「生存者は?」
レヴァンダ:「(近くの兵士の息を確認して)
・・・っ、そちらはどうだ」
兵士①:「・・・残念ながら」
レヴァンダ:「この様子だと恐らく」
ベルヴァルク:「動き出したか」(歩き出す)
レヴァンダ:「ガードナー将軍! 何処へ行かれるのですか」
ベルヴァルク:「皇帝宮だ。
副将、残りの兵を先導し生存者の確保をしろ」
レヴァンダ:「御意」
ベルヴァルク:「レヴァンダ」
レヴァンダ:「はい」
ベルヴァルク:「個より全てに尽くせ。
そして言葉に惑わされるな」
レヴァンダ:「ガードナー将軍、それはどういう・・・」
ベルヴァルク:「(遮る)全ては誰も知りえない。
信じるは己自身だ」(立ち去る)
レヴァンダ:「か、畏まりました」
≪帝都センテリオ城内≫
メルクーア:「はぁ・・・はぁ」(息苦しそうに)
ロジック:「おうおう、派手にやってくれたな」
メルクーア:「ロジッ、ク・・・」
ロジック:「もう少し手ごたえがあると思ったが、
案外あっさり逝っちまって拍子抜けだ。
皇帝の名もただの飾りか。なぁ、
お前もそう思うだろ? ふっ(鼻で笑う)」
メルクーア:「わらわの力が。わらわが皇帝を殺したのか」
ロジック:「見ての通りだ、こいつぁもう息絶えてる」
メルクーア:「くくっ・・・」
ロジック:「魅力的だろ、俺様のような異形の力は。
この力さえあればなんだって出来る・・・
地位も名誉も。国ひとつ支配することもな、
ははははははっ!」
メルクーア:「その力を完全とするには、どうしたらいいのだ」
ロジック:「簡単な事だ」
メルクーア:「・・・?」
ロジック:「気に入らないモノ全てを破壊し尽くせばいい!
自分の思うが侭になっ!
そして、世界は闇に包まれる。
くはははははっ!!」
メルクーア:「闇・・・だと?」
ロジック:「あぁ、そうだ。俺様の全ては闇だ。
力も存在も全て、
メルクーアお前も見てみたくねぇか?」
メルクーア:「何をだ」
ロジック:「闇で覆いつくされた、完全なる世界だ」
メルクーア:「・・・!」(何かに気付く)
ロジック:「神に支配されたこの世界で
お前は充足を得られたか?」
メルクーア:「・・・」
ロジック:「お前が一番分かってる筈だ。
神は・・・」
メルクーア:「(食い気味)神など、最早
存在だけの偶像に過ぎぬ」
ロジック:「わかってるじゃねぇか」
メルクーア:「そのような事、昔から分かりきっていた。
このままではアルシャディアは
衰退の道を辿る一方・・・」
ロジック:「(食い気味に)だが! 闇ならば、
神をも凌ぎ、支配もできるぜ」
メルクーア:「っ・・・(唾を飲んで)
ならば手に入れたこの力で・・・」
ロジック:「いいねぇ。
ただ、その力にも限りがある。
それを維持する為には
“こっち側”にこねぇとなぁ」
メルクーア:「“こっち側”・・・、
お主が裏返った側という事か」
ロジック:「裏返った? そいつは違う。
俺様は表返っただけだ」
メルクーア:「なるほど・・・。
それで、わらわはどうしたら良いのだ」
ロジック:「試練だ」
メルクーア:「なに・・・?」
ロジック:「これを超えられないようじゃ、力は扱えねぇ。
失敗すりゃ、お前はその程度の人間だったことだ。
分かったか?」
メルクーア:「・・・(頷く)」
(静かに姿を現す)
ニエンテ:『そこまでにしておけ、罪を重ねる心算か』
ロジック:「お、やっとお出ましか。待ちわびたぜ」
メルクーア:「ニエンテ。お前は女神の使いの類だと聞いたが」
ニエンテ:『いかにも、この地を任されし守護獣。
今なら留まれる、メルクーア正気を保つのだ』
メルクーア:「正気・・・?
ははっ、くははははははっ!
お前も分かっているだろう。
この地で禁忌を犯し
何百年生き長らえてるかなど」
ニエンテ:『・・・』
メルクーア:「ニエンテ。
わらわはとうの昔から狂っているのだよ。
神への復讐を誓い、人である誇りすらも捨て、
永い時間耐え忍んできた・・・
そして今まさに、わらわは過去の呪縛から解き放たれ、
待ち望んだ未来へと足を踏み入れようというのだ」
ニエンテ:『それが、お前が望んだ未来と言うのか』
メルクーア:「勿論だとも。・・・ロジック」
ロジック:「なんだ」
メルクーア:「その試練とやら、こちらで定めても
構わぬものであろうか」
ロジック:「あぁ、好きにしろ。くくっ」
ニエンテ:『メルクーア、
何故アルシャディアを倦厭(けんえん)する』
メルクーア:「どれだけつくした所で
救いの無い世界で在るからだ」
ニエンテ:『・・・何処まで堕ちる気だ』
メルクーア:「常闇は、果ての無い
云わば底なし沼のようなもの。
可能性に満ちた、誠の希望そのものよ」
ニエンテ:『・・・』
メルクーア:「ニエンテ、覚悟せよ」
ニエンテ:『お前に我を傷つけることは叶わん』
メルクーア:「只の宮廷魔術師ならばそうだろう。
だが、わらわは・・・ちが、う。うぐっ」
ニエンテ:『っ!?』
メルクーア:「ニエ、ンテ。この、力で・・・
あがっ、人の闇、を ぐがっ
がっぁああああああああああ!!」
ロジック:「これが禁忌を犯した奴の末路か。
くくっ、醜いねぇ」
メルクーア:『はぁ・・・はぁ。お主を 殺すっ』
ニエンテ:『後には引けんぞ』
メルクーア:『うるさいっ! しねぇええっ!』
(飛び込んでくる)
ベルヴァルク:「ふっ」(受け止める)
メルクーア:『っ!? ガードナーっ』
ベルヴァルク:「ロジック中将、大した余興だな」
ロジック:「やぁっと、来たか。
招待状にちゃんと時間書いてなかったか?」
ベルヴァルク:「俺の手元には届いて無い」
ロジック:「相変わらずノリの悪ぃ奴だな」
ニエンテ:『何故来たのだ』
ベルヴァルク:「(倒れている亡骸を見て)
・・・・皇帝は?」
ニエンテ:『・・・随分と前に』
ベルヴァルク:「ならば、語るべき事は無い。
罪人を処すのみ」(長刀を構える)
メルクーア:『くくっ、わらわに牙を向けるかっ!
はははははあはっ!』
ベルヴァルク:「懺悔なら今のうちに済ませておけ」
メルクーア:『ロジック』
ロジック:「なんだぁ」
メルクーア:『自分の思うが侭に、
阻むモノ全てを破壊し尽くせと言ったな』
ロジック:「言ったなぁ」
メルクーア:『これも・・・
試練とやらの一部と捉えて良いのだな?』
ロジック:「あぁ、精々生き残って見せろよ?」
メルクーア:『何を抜かすか』
ベルヴァルク:「来い」
メルクーア:『言われずともっ! があああああっ!!』
ベルヴァルク:「はっ!」(切り抜ける感じで)
メルクーア:『くく、ははははっ! 名高い武人とも在ろうものが
掠りもしないとは、お笑い種よ! はははははっ』
ロジック:「こりゃ、失敗作だったな」(ボソッと)
ベルヴァルク:「(構えを降ろす)悪しき魂と共に散れ」
メルクーア:『がはっ、ま、さか・・・この力を持っても
人間にすら・・勝てぬ、の・・・か、ぐっ』
ロジック:「メルクーア、試練は不合格だ。残念だったな」
メルクーア:『な・・・に?』
ロジック:「やはりお前は失敗作、ただの欠陥品だ。
つまり用無し、ここで尽きる運命ってことだ」
メルクーア:『ろじ・・・ぐ、おの、れ・・・』(朽ちる)
ニエンテ:『人が人を玩ぶとは・・・愚かな』
ロジック:「流石、ガードナー将軍。帝国きっての武人だ」
ベルヴァルク:「戯言を」
ロジック:「けっ、本題に戻るとするか」
ベルヴァルク:「・・・」
ロジック:「先ずは、新帝国の誕生に万歳!」
ベルヴァルク:「何がしたい」
ロジック:「ん? 世界の破壊」
ベルヴァルク:「ふざけているのか」
ロジック:「俺様を見縊ってもらっちゃ困る。
既にお前の居場所は何処にもない。
不要なモノには全て舞台から降りて貰ったからな」
(何かの気配に気付いて、構える)
ベルヴァルク:「・・・っ?」
ロジック:「おっと、妙な真似はするなよ。
おい、こっちに連れて来い」
兵士①:「さっさと歩け」
レヴァンダ:「っ! ガードナー将軍申し訳在りません」
ベルヴァルク:「・・・外道だな」
ロジック:「何とでも言え。
俺様にとっちゃどれも褒め言葉だ」
レヴァンダ:「・・・っ!?
皇帝陛下、メルクーア殿!?
将軍、どういうことですか!!?」
ベルヴァルク:「・・・・」
ロジック:「くく、ご自分の立場を
良くわかっていらっしゃるようで」
レヴァンダ:「何故何も言わないのですか!?
ご説明を、ガードナー将軍!!」
ロジック:「オルグリオ副将。これが現実だ」
レヴァンダ:「なに・・・?」
ロジック:「ガードナーが持ってる長刀(ちょうとう)、
それに付いてる鮮血が証明してるだろ?」
レヴァンダ:「ま、まて!」
ロジック:「兵士共! ガードナーを捕らえろ!」
レヴァンダ:「!?」
ロジック:「皇帝陛下及び
宮廷魔導師暗殺の罪で投獄する」(薄気味悪く笑う)
ベルヴァルク:「(鼻で笑う)」
ニエンテ:『その程度の偽りが
通用するとでも思っているのか』
ロジック:「違うな、ニエンテ。そういうもんは
力と勢いで押し通すんだよ」
ニエンテ:『ぬしの存在は危険すぎる』
ロジック:「だったらどうした。
俺様を裁くってのか。
守護獣たるものが
人を殺める訳にはいかねぇよな? くく」
ニエンテ:『・・・っ、然るべき時には』
ロジック:「(食い気味)然るべき時って今か?
なら好都合。
俺様にとってもてめぇは邪魔者でしかない」
レヴァンダ:「守護獣を殺そうとしているの?
そんな事出来る筈が」
ロジック:「この魔人の力を持ってすれば容易いことだ」
ニエンテ:『・・・・何故それを』
ロジック:「って事は正解だな?」
ベルヴァルク:「一つだけ聞こう」
ロジック:「あん? 一つだけだぜ」
ベルヴァルク:「何者だ」
ロジック:「そうだな。
変化なるモノの行く末を楽しんでいる侵攻者。
とでも言っとくか、これで満足か?」
ベルヴァルク:「あぁ」
ロジック:「それじゃ、お別れだ。ニエンテ
逃げるなら今だぞ?」
ニエンテ:『これも定められた運命の一部に過ぎん。
女神様のご慈悲を・・・』
ロジック:「そんじゃぁな」
レヴァンダ:「本気かっ!?」
ロジック:「でりゃあああっ!」
ニエンテ:『くっ・・・さら・・・ば』(消滅する)
レヴァンダ:「・・・きえ、た?」
ロジック:「くくく、はははははははっ!!
あはははははははあはははっ!!」
(突如地震が始まる)
ベルヴァルク:「っ!?」
レヴァンダ:「地震・・・これは大きい」
ロジック:「くはははははっ! 来た来た来た」
(帝国全土にガラスが割れる大きな音が響く)
ロジック:「さぁ、酔狂なる地獄の始まりだっ!!!」
レヴァンダ:「結界が完全に消えたのか」
ロジック:「見てわからねぇか!」
レヴァンダ(M):「くっ、この地震に紛れて将軍だけでも」
ベルヴァルク:「はぁっ」
ロジック:「っと(後ろに後退する)
妙な真似はするなと言った筈だがなぁ」
ベルヴァルク:「お前こそ見縊って貰っては困るな」
兵士①:「ぎゃぁあ!」
レヴァンダ:「この、無礼者が。てやぁ!」
兵士①:「ぐはっ」
ロジック:「ふん。まぁ、いいさ。
お楽しみはこれからってな!
おらぁあ!」
ベルヴァルク:「ふっ(受け止めて鍔迫り合いが始まる)
所詮は三流か。
力を得ても技術は伴っていないようだ」
ロジック:「それはどうかな」(ニヤリと笑う)
ベルヴァルク:「なに?」
ロジック:「ぉおおおおおお」(力を噴出させる)
レヴァンダ:「体から黒いオーラがっ!?」
ベルヴァルク:「・・・っ」(長刀にヒビが入り始める)
ロジック:「へへっ、こんなもんじゃねぇぞ? うりゃあ!」
ベルヴァルク:「ふっ(受け流す)」
ロジック:「まだまだぁああ! ふんっ!」
ベルヴァルク:「っ!?(受け止めるが刀が折れる)」
ロジック:「おらおらおらああ!」
ベルヴァルク:「くっ・・・」(後ろに退避する)
レヴァンダ:「ガードナー将軍っ!」
ベルヴァルク:「なるほど。魔人の力とやら、
計り知れないな」
ロジック:「ははっ、ガードナー。
得物が折れちまったな。
どうする、大人しく降参でもするか?
かははははっ!」
ベルヴァルク:「我が敵を絶つモノは、
一つではない」(折れた長刀で構える)
ロジック:「頭でも可笑しくなったか? はははっ!
折れた得物でなにするってんだ!」
ベルヴァルク:「武の道を究めし者のみ具現可能となる業(ごう)
はぁあああああああ(静かに気を溜める)」
ロジック:「ん、何をする気だ?」
(地震は続いている・建物が崩れ始める)
レヴァンダ:「建物が崩れ始めた・・・此処も危険。
ガードナー将軍、避難を!!
・・・っ!?(自身が光りだす)
体が光り始めた」
ロジック:「なんだなんだ、何かの仕込みか?」
ベルヴァルク:「っ!?」
ニエンテ(M):『女神のご慈悲を』
レヴァンダ:「天井が崩れるっ、将軍!!」
(天井が崩れて来てその場は瓦礫と煙だけになる)
ロジック:「げほっごほっ・・・っと。あぶねぇ所だった。
今の光は何だったんだ?」
(辺りを見回すが誰の気配も無い)
ロジック:「チッ、逃がしちまったか。
まぁ、今回の目的は達成したんだ
良いとするか、ははははっ!」
≪同時刻違う場所≫
ツェッカ:『・・・ん』
エーレ:「どうした、ツェッカ」
ツェッカ:『今、何か感じなかった?』
エーレ:「もうホームシックか」
ツェッカ:『違うわよ、もう! 真面目に言ってるのに』
エーレ:「冗談だって。・・・確かに何か違和感がするな」
ツェッカ:『そうでしょ? なんだろう。
とても、ハッキリとしない感じ』
(僅かに地震が来る)
エーレ:「おっと、地震か? 珍しいな」
ツェッカ:『私飛んでるから分からないけど、どれくらいなの?』
エーレ:「まぁ、酔わない程度かな」
ツェッカ:『そっか。えっと、目的地は何処だっけ』
エーレ:「帝都センテリオだ」
ツェッカ:『それならこのまま船の乗り継ぎで行けるわね』
エーレ:「そうだな。っとそこのお兄さん」
兵士②:「はい、何でしょうか?」
エーレ:「この船って、帝都センテリオ行きであってる?」
兵士②:「只今、帝都に厳戒態勢に敷かれている為、
出航許可は出ておりません」
ツェッカ:『厳戒態勢・・・?』
エーレ:「はぁ? 何かあったのか」
兵士②:「いえ、こちらにも通達があっただけで
詳しいことは分かりかねます」
エーレ:「まじか・・・困ったなぁ」
ツェッカ:『他に道はないかな?』
エーレ:「ん、聞いてみるか」
兵士②:「・・・?」(誰と喋ってるんだ?という感じ)
エーレ:「帝都に行く方法って他に無い?」
兵士②:「陸、海、空、全ての経路が封鎖されています。
当面帝国への入国申請も受け付けられません、
今は諦めて頂くしか・・・」
(少し離れて)
エーレ:「わかった、お勤めごくろーさん」
ツェッカ:『どうしようか』
エーレ:「行き成り密入国って訳にも行かねぇしな~」
ツェッカ:『っと言って、他に当ては無いんでしょ?』
エーレ:「まぁ・・・、お?」
ツェッカ:『どうしたの?』
エーレ:「どうしたのって・・・。
こっちのセリフだって、
帝都に行けないのが泣くほど悲しいのか?」
ツェッカ:『へっ!? 私泣いてる?』
エーレ:「・・・あぁ」(指で涙を拭う)
ツェッカ:『え、何で? なんで?』(動揺)
エーレ:「落ち着けって」
ツェッカ:『ご、ごめん。
何で、涙が流れるのか分からない』
エーレ:「うん」
ツェッカ:『でも、とても・・・嫌な予感はする』
エーレ:「ん、帝都に向かう前に
やるべき事が在るみたいだな」
ツェッカ:『え、諦めちゃうの?』
エーレ:「いや、少し寄り道するだけだ。
此処から一番近い国は?」
ツェッカ:『王国シルヴェスタよ』
≪とある霧の掛かっている草原≫
ベルヴァルク:「っ!?」
レヴァンダ:「っ!? ガードナー将軍お怪我は?」
ベルヴァルク:「問題ない、お前は」
レヴァンダ:「私も問題ありません」
ベルヴァルク:「ん。・・・転移魔法か」
レヴァンダ:「ニエンテは最後の力で、我々を。
目的は何にしても此処は一体何処なのでしょうか。
霧でハッキリと確認は取れませんが、
訪れたことの無い土地のようですね・・・」
ベルヴァルク:「いや・・・」
レヴァンダ:「・・・?」
ベルヴァルク:「俺は此処を知っている筈だ」
レヴァンダ:「知っている・・・ですか」
ベルヴァルク:「・・・」
レヴァンダ:「・・・」
ベルヴァルク:「何も、問わないのか」
レヴァンダ:「先ほどの事ですか?」
ベルヴァルク:「全てに、だ」
レヴァンダ「私は・・・己を信じていますので。
信念のまま、行動するだけです」
ベルヴァルク:「ふっ・・・。(微笑)
暫くは身を隠していた方が良さそうだな」
レヴァンダ:「はい、畏まりました」
(霧が晴れていく)
ベルヴァルク:「ん・・・」
レヴァンダ:「霧が薄れて来ましたね・・・」
ベルヴァルク:「・・・」
レヴァンダ:「っ、何者かが此方に向かって来ます」
ベルヴァルク:「・・・」(立ち上がる)
(完全に霧が晴れる)
レヴァンダ(M):「霧が完全に晴れた・・・」
レヴァンダ:「・・・っ!」
ベルヴァルク:「お前は・・・」
メルクーア(M):「何者かにより壊滅した帝都センテリオに
雷雨が容赦なく降り注ぐ。
翌日、オルディン帝国皇帝の崩御が
アルシャディア全土に知れ渡る事になる」
レヴァンダ:「次回『Histoire of Eternto(イストワール オブ エテルノ)』
第9話 求める心」
ツェッカ:『女神ヴァレスティアの
勇ましき御心の加護を受けし
獅子の守護獣ニエンテ・・・』
エーレ:「こっちに来た途端これか」
ツェッカ:『何故、彼が失われなければならなかったの?』
エーレ:「運命・・・か」
ツェッカ:『エーレ・・・?』
エーレ:「抗うことが出来れば、どんなに楽か・・・」
to be continued...?
0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0-0--0---0----
永久の夢~とこゆめ~ 台本置き場PR