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永久の夢 

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HOE 第9話

・・イストワール   オブ   エテルノ・・
『Histoire of Eternto』
 第9話 求める心


≪登場人物≫

エーレ=テナークス♂(26):女性受けの良いナイスガイ(笑)
               年下には兄貴肌で面倒見の良く、
               年上には甘え上手。
               口調は誰よりも軽くいつもお茶らけている。
               自由と冒険をこよなく愛する弓使い。
               主要武器は弓。

ツェッカ=♀(??):小さな妖精。普段はお茶目で可愛らしいが、
           少し心配性な所があり、だらしないエーレに
           文句ばかり言っている。               

ルチオ=カサモラータ♂(25):誠実、真面目さが滲み出ていて
                好印象な外見だが、実は野心家。
                物事に対してややニヒルで
                シ二カルな一面もある。
                少し変わり者で得意分野に関しては
                マシンガントークになる。

ヴァイゼ=アルデイリム♀(30):真面目だがユーモアも持ち合わせている
                 エペイストリベルテ騎士団団長。
                 とある理由からルチオとは
                 反りが合わないようだ。主要武器:レイピア。

ソルシェ=スルール♀(53):心優しくもあり母のように強き心を持った現女王。
               国民と共に国を良くしようと、直接声を聞いたりと
               民と最も近しいお人。

ポラリス=ノエズ♂(20):少し落ち着きに掛けるがセグレートの兄貴分。
              優しい面影でひょろっとしている。
              魔学研究機関ヴァールハイトハルク魔学研究者、
              ルチオの助手。魔法使い。

チェレネ♂(??):王都に住む守護獣。性格は大人しく慈愛に満ち溢れている。
          白馬の姿を模している。





≪配役表≫ (4:3)

エーレ♂:
ツェッカ♀:
ルチオ♂:
ソルシェ♀:
ポラリス♂:
チェレネ♂:
ヴァイゼ♀:



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≪空中都市ソミュア・研究機関内≫



(走ってくる)

ポラリス:「はぁ、はぁ・・・!
      せ、先生! ルチオ先生!」

ルチオ:「騒がしいですよ。
     室内は走らないようにと言いましたよね」

ポラリス:「す、すいません。急いでいたので・・・」

ルチオ:「それで、どうかしましたか?」

ポラリス:「はぁ・・・至急、(唾を飲む)
      王都エンジールにお集まり下さい!」

ルチオ:「エンジールに?」

ポラリス:「女王陛下からのお呼び出しです」

ルチオ:「・・・先日の地震と何か関係が?」

ポラリス:「恐らく。・・・ふぅ(息を整える)」

ルチオ:「分かりました。準備を手伝って下さい」

ポラリス:「は、はい」

ルチオ:「ところで、ポラリス」

ポラリス:「な、なんでしょう」

ルチオ:「少し運動不足のようですが」

ポラリス:「うっ」

ルチオ:「助手として尽くしてくれる君の姿勢には
     大変感激してますし
     助けられてばかりだとは思っていますよ。
     ですが、老婆心ながら
     少しは健康にも気を使ったほうが
     誰より自分の為になるのではないでしょうか」

ポラリス:「うぐぐいや・・・」

ルチオ:「あぁそれと、迂闊なタイミングで
     体を壊されるようなことがあっては、
     延いては今後の研究にも支障が
     出るかもしれません。
     そうなると私の生活にも
     退っ引きならない影響が・・・」(微笑)

ポラリス:「わ、分かりましたから! 
      とにかく今は急いで下さい!」




≪王都エンジール≫



エーレ:「くぅううう!(伸びをする)
     やっ~と着いた。はぁ」

ツェッカ:『馬車に揺られて丸一日。
      気疲れしちゃったわ』

エーレ:「宙に浮いてるのにか?」

ツェッカ:『気持ちの問題気持ちの問題』

エーレ:「へぇ~。ここが王都エンジールか。
     成る程、馬車のおっさんが言ってた通りだ。
     美女ぞろいだなぁ」

ツェッカ:『もう、そればっかりなんだから!』

エーレ:「気持ちの問題だよ、気持ちの問題」

ツェッカ:『むっ(膨れる)
      それで、王都まで来たけどどうするつもり?』

エーレ:「そうだな。ツェッカ」

ツェッカ:『なに?』

エーレ:「守護獣の気配を辿ることって
     出来るか?」

ツェッカ:『ん~。何となく、なら』

エーレ:「よし、会いに行くぞ」

ツェッカ:『ちょ、ちょっと待って。
      会いに行くって・・・』

エーレ:「これから向かう筈だった帝都の守護獣が死んだんだ。
     頼みは他の奴しか居ないだろ?」

ツェッカ:『選定されしもの?』

エーレ:「あぁ。俺の記憶じゃ、守護獣と
     選定されし人間=(イコール)神具の関係だろ?
     だったら直接聞いた方が話しが早い」

ツェッカ:『それもそうだけど、
      そう簡単に話してくれるかしら』

エーレ:「・・・やっぱりそう思う?」

ツェッカ:『守護獣は女神さまの使者、
      語れる事はそう多くない筈よ。
      あの方たちは運命の鎖に繋がれているから』

エーレ:「だよなぁ~。・・・っと言っても
     今の俺達に他に選べる手段は無いし
     ものは試しで行ってみるか。
     それ以外の収穫もあるかもしれないからな」

ツェッカ:『う、うん』

エーレ:「それで・・・、
     チェレネの気配はどこからする?」

ツェッカ:『あ、えっと・・・王宮の方から』

エーレ:「りょーかい。(王宮の方を見上げて)
     さて、どうやって入るか」

ツェッカ:『そうね、私のおまじないなら
      行けるかもしれないわ』

エーレ:「まじない? そんなモノも使えるんだな」

ツェッカ:『うん。このおまじないは、
      一時的にエーレの姿を
      周りから見えなくするものだけど・・・』

エーレ:「それって、普段から使えるんだったら
     便利だよな~」

ツェッカ:『ただし、制約は多いから注意してね』

エーレ:「せ、制約?」

ツェッカ:『乱用しすぎると、
      一生元に戻れなくなっちゃうのよ!』

エーレ:「お、おぅ。
     ・・・わかった、残念だ」





ポラリス:「『Histoire of Eternto(イストワール オブ エテルノ)』
      第9話 求める心」





≪王都エンジール≫



ソルシェ:「そうですか、分かりました。
      引き続き調査と報告をお願い致します」

ヴァイゼ:「畏まりました」

ソルシェ:「それと・・・」

ヴァイゼ:「はい、どうなされましたか」

ソルシェ:「彼女の行方は・・・」

ヴァイゼ:「申し訳御座いません。
      手掛かりこそ在れ
      未だ空を掴んでいる状態で・・・」

ソルシェ:「・・・」(少し不安げに)

チェレネ:『女王陛下、気を落とさないで下さい。
      御心がある限り、
      必ず此処に訪れる事になるでしょう』

ソルシェ:「そうですね。チェレネ、心遣い感謝します」


(扉が開き二名入ってくる)

ポラリス:「女王陛下、失礼致します!」

ソルシェ:「いらっしゃいましたね」

ヴァイゼ:「ルチオ殿、ポラリス殿。
      お待ちしていました」

ルチオ:「女王陛下、
     緊急の案件とお伺いして参上致しました」

ソルシェ:「突然呼び立ててしまい
      申し訳ありません」

ルチオ:「いえ、陛下の命令あらば何時でも。
     それで・・・ご用件はなんでしょうか」

ソルシェ:「ヴァイゼ、お願いします」

ヴァイゼ:「はい、では私から。
      ルチオ殿、先日の地震をご存知か?」

ルチオ:「えぇ、ソミュアの方でも観測致しましたので」

ヴァイゼ:「それと時を同じくして、帝都が壊滅した」

ポラリス:「か、壊滅!?」

ルチオ:「ほう・・・」

ヴァイゼ:「帝都の守護獣であるニエンテの消滅も確認された。
      今は帝国内には入り込めないようになっている」

ルチオ:「笑えない冗談ですね。守護獣が消滅・・・
     そんな事がありえるのですか?」

ソルシェ:「残念ながら冗談ではありません。
      同じ守護獣であるチェレネが言うのですから」

ルチオ:「成る程、それは中々興味深いお話ですね」

ヴァイゼ:「余り驚かれていない様子だな、ルチオ殿」

ルチオ:「何故、ですか?」

ヴァイゼ:「たとえ疎遠になった土地だとしても
      貴殿からすれば唯一の故郷だ。
      それを失ったにも関わらず、
      そうも飄然としていられるとは・・・、
      理解に苦しむ」

ポラリス:「ヴァ、ヴァイゼさんっ。
      そんな言い方・・・」

ルチオ:「(食い気味)哀愁に浸る暇が無い程に、
     私は多忙極まりないのですよ。
     それではご納得頂けませんか?」

ヴァイゼ:「・・・くっ。
      貴殿は故郷を思う心すら
      持ち合わせては居ないのか」

ポラリス:「わわっ」(どうしよう、と慌てふためいている)

ルチオ:「勿論、あると思いますよ。
     少なくとも、貴方が思っている以上には」

ソルシェ:「(食い気味)お二人とも、
      その様な言い争いは慎みなさい」

ルチオ・ヴァイゼ:「・・・はっ」

ポラリス:「あ、えっと。帝国に入れないって事は
      どういう状況になっているかも
      掴めてないんですよね?」

ヴァイゼ:「その通りだ」

ルチオ:「これ程早く、第三勢力の存在が
     明らかになってくるとは思いもしませんでしたが」

ポラリス:「備える間もなく、って感じですね」

ヴァイゼ:「今、下手に動いて
      こちらの警戒の手を薄める訳にはいかない」

ソルシェ:「ですが、事が重大ですから。
      私たちも早急に手を打たなければなりません」

ルチオ:「陛下、何かご提案があるのですね」
     
ソルシェ:「はい」

ルチオ:「・・・分かりました」

ソルシェ:「ルチオ。
      これまで敢えて聞く事はしませんでしたが・・・
      貴方の目にも
      チェレネの姿は映っているのでしょう」

ルチオ:「・・・」

ポラリス:「せ、先生が・・・」

ソルシェ:「先日行なわれた円卓会議の内容を聞く限りでは、
      貴方も選ばれし者。違いますか?」

ルチオ:「申し訳在りません陛下、仰るとおりです。
     最も、その中の“一握り”であるかは別ですが」

チェレネ:『ルチオ殿。
      貴方はまさにその一握り、選ばれし者なのです』

ルチオ:「私に何かみえますか?」

チェレネ:『はい、知恵と童心の聖魔導書ルアナ。
      ご存知ですね』

ルチオ:「・・・っ」

チェレネ:『女神に与えられし神具の一つ『聖魔導書』 かつて
      賢者ルアナが扱ったとされる伝説の魔導書です』

ルチオ:「勿論、知っていますよ。
     ルアナは我がカサモラータ家に伝わる書物・・・」


(柱の物陰から姿を現す)

エーレ:「ひゅ~♪ 思わぬ収穫だ」

ツェッカ:『ちょ、ちょっとエーレ!』

ポラリス:「し、侵入者っ!?」

ヴァイゼ:「何者だ! 
      陛下、お下がりくださいっ」(剣を構える)

エーレ:「待て待てって! 
     怪しい奴じゃないって」(両手を挙げながら)

ヴァイゼ:「どうやって侵入したっ」

エーレ:「えっと~、妖精さんのおまじないで
     ちょちょいっと身を隠しながら」

ヴァイゼ:「・・・む」

エーレ:「お、怒った顔も魅力的~!
     だが、美人は笑顔の方が似合ってるぜ?」

ヴァイゼ:「なっ・・・!」

ツェッカ:『まったくっ!』

チェレネ:『・・・セアカルディアの妖精ですか』

ツェッカ:『は、はじめまして。
      ツェッカと申します、守護獣チェレネ』

ソルシェ:「チェレネ、ご存知なのですか?」

チェレネ:『はい。
      ですが・・・何故あなた方が此処に』

ルチオ:「訳在りのようですね。
     お互い“何か”見えている様子」

エーレ:「そこのお兄さん話が早いね~」

ルチオ:「ですが、盗み聞きとは感心しませんね。
     貴方の態度次第では厳罰も覚悟して頂かないと」

エーレ:「うぐっ」

ポラリス:「だ、誰か呼んできますか?」

ヴァイゼ:「まて、私がいるだろう。その必要は無い」

ポラリス:「あ、そうでした・・・。すいません」

ヴァイゼ:「・・・で、正体を明かして貰おうか」

エーレ:「え~、名前はエーレ=テナークス」

ツェッカ:『それだけじゃ信用して貰えないよ!
      他には?』

エーレ:「他に? ん~・・・
     あ。そ、そうだ」

ヴァイゼ:「どうした」(剣先を突きつけて)

エーレ:「これ、聖弓アリオーン。
     こいつの持ち主・・・じゃだめか?」

全員:「っ!?」

ソルシェ:「それは本当ですか?」

エーレ:「勿論です、女王陛下。
     ほら、これが聖弓・・・」(弓に手を掛けようとする)

ヴァイゼ:「(遮る)動くんじゃない」

エーレ:「へーい」

ソルシェ:「チェレネ、確認を」

チェレネ:『間違い在りません。
      信頼と直感の聖弓アリオーンと選ばれし者です』

ソルシェ:「エーレ・・・といいましたね」

エーレ:「はい」

ソルシェ:「何を目的として此処へ?」

ツェッカ:『陛下、それについては私が説明します。
      元々、私たちは守護獣の“力”を借りたくて、
      帝国に、つまりニエンテの元に向かっていました』

ポラリス:「選ばれし者を選定する力・・・ですか?」

ツェッカ:『そうよ』

エーレ:「実は、ここにもう一つ。神具があるんだけどさ」

ソルシェ:「別の・・・神具が? チェレネ、どうです?」

チェレネ:『この気配は・・・誇りと真実の聖剣グランフェル』

エーレ:「ニエンテの方がダメだったんで、
     白馬の守護獣チェレネを頼ろうと思って」

ルチオ:「なるほど。つまりアナタ達の目的は…」

ツェッカ:『聖剣グランフェルの適合者を探しだして、届けること』

エーレ:「それにしても、
     ニエンテが消滅したとは聞いたけど・・・。
     何か、不吉なことが起ころうとしているのは
     間違いないか・・・」

ソルシェ:「・・・・いいでしょう、ヴァイゼ。
      剣を下ろしてください」

ヴァイゼ:「はっ」(剣をしまう)

エーレ:「ふぃ~、危ない所だった(安堵の溜息)
     美人さんにじっと見つめられるのも
     悪くは無かったけどな」

ヴァイゼ:「貴様、刻まれたいらし・・・」

ポラリス:「お、落ち着いてくださいって!」

ヴァイゼ:「・・・」(睨み付ける)

エーレ:「おぉっと、やり過ぎたか」(苦笑)

ツェッカ:『もうエーレったら!』

ポラリス:「あぁ、えぇっと!! 
      少し話し戻しますけど、
      先生も聖魔導書ルアナをお持ちなんですよね。
      って事は、今確認出来ている神具は
      三本って事ですか?」

ルチオ:「いえ、残念ながら。ルアナに関しては
     カサモラータ家の所有するものですから
     故郷を離れた私の手元にはありません」

ソルシェ:「では、所在は分かっているのですか?」

ルチオ:「はい。陛下はご存知の通り、
     私は・・・元々帝国の生まれです。
     恐らく、その生家に保管されてると思いますが」

エーレ:「今帝国って入れないんだろ? 
     どっちにしろ手詰まりって事か・・・。
     どぉすっかなぁ・・・」

チェレネ:『エーレ=テナークス』

エーレ:「ん?」

チェレネ:『貴方は古き伝えを背負いしディムアルサ。
      このアルシャディアで
      それを果たす為に訪れたのですね?』

ポラリス:「古き伝え・・・?」

エーレ:「・・・まぁな。
     他に託せる人間が居るわけでもないし
     こっちに来て事態の深刻さも大体把握できた。
     状況も状況だし、俺は前向きに考えてるよ」

チェレネ:『抗うことも出来た筈です、
      それでも踏み入れると言うのですか』

エーレ:「それが、俺の往くべき道ならば
    “流れ往くままに”ってな」

チェレネ:『・・・どのような運命(さだめ)も
      受け入れる覚悟はありますね?』

ツェッカ:『エーレ・・・』

エーレ:「勿論、そのために俺は此処に居る」

チェレネ:『分かりました、では・・・』
      
ヴァイゼ:「ま、待て」

ソルシェ:「どうしました?」

ヴァイゼ:「陛下、話の腰を折ってしまって
      申し訳御座いません。
      ですが、私にはチェレネ殿の話が
      今一理解が出来ません
      この者達の正体は一体・・・?」

ポラリス:「確かに、聞いたことの無い
      言語が出て来ましたね」

ツェッカ:『ぁ・・・』(何かに気付く)

ソルシェ:「チェレネ、その説明はして貰えるのですか?」

チェレネ:『いいえ、今は語るべき内容では御座いません』

ソルシェ:「“運命の鎖”ですか」

チェレネ:『はい』

ソルシェ:「分かりました。
      時が来れば分かることですから。
      ヴァイゼ、不安なのは分かりますが
      今はその追求心を沈めておいて下さい」

ヴァイゼ:「はっ、畏まりました」

チェレネ:『では、話を続けさせて頂きます。
      この先はルチオ殿も共に聞いてください』

ルチオ:「はい」

エーレ:「了解」

チェレネ:『この王都エンジールには。
      代々、王家が管理してきた神具が存在します』

ツェッカ:『神具がもう一つ・・・!』

チェレネ:『それは勇気と誠実の聖爪アヴァルク。
      女神に与えられし神具の一つ『聖爪』 かつて
      拳聖アヴァルクが扱ったとされる伝説の鉤爪です』

エーレ:「それをどうしろって?」

チェレネ:『アヴァルクは既に選ばれし者が
      分かっている神具です』

ヴァイゼ:「・・・っ! まさか」

ソルシェ:「察しのとおりです。
      その人物は我が娘、エンジールの第一王女」

ルチオ:「・・・」

ポラリス:「王女様って、現在行方不明では」

ツェッカ:『え? 行方不明なの?』

ポラリス:「そうなんですよ」

ソルシェ:「生存確認は出来ているのですが
      捜索隊との情報が上手く噛み合わず
      明確な所在を掴めずにいるのです」

エーレ「俺に、その行方不明になった王女様を
    探しだせって言いたいのか」

チェレネ:『えぇ』

ルチオ:「成る程、それは良い提案ですね。
     どちらにせよ今現在、
     帝国には近付く事すら不可能なのですから
     情報がより明確な方から解決していく・・・
     っというのはどうでしょうか?」

ツェッカ:『その提案良いかも、
      待ってる時間勿体無いものね』

ルチオ:「それに、王女様に関して少し宛があるので
     エーレさんには協力して頂きたい所ですし」

ヴァイゼ:「宛て、だと?」

ルチオ:「はい、以前何処かで似たような人物を
     見かけたような気がするんですよ。
     そこへ彼を向かわせて、本人ならば
     連れて帰ってくれば問題は解決です」

ヴァイゼ:「ルチオ殿にしては、
      随分と周りくどい言い方だな」

ルチオ:「そうですか?」

ヴァイゼ:「本当は何か知っているんじゃないか?」

ルチオ:「何か、根拠がおありで?」

ヴァイゼ:「それは、ないが」

ポラリス:「お、お二人ともっ!」

ルチオ:「なら、この話は終わりです」

ヴァイゼ:「くっ」

エーレ:「ちょ、ちょっと待て!
     勝手に話進めてるけど俺に選択権は無いわけ?」

ルチオ:「おや、あるとでも思っていたんですか。
     これは、チェレネが貴方に託した
    “往くべき道”かもしれませんよ?」

エーレ:「・・・何か、
     上手く丸め込まれてるような」

ルチオ:「気のせいですよ」(微笑)

ツェッカ:『エーレ。“運命の流れ往くままに”でしょ』

ポラリス:「それ、さっきも言ってましたが
      合言葉とかですか?」

ツェッカ:『ふふ、秘密よ』

エーレ:「はぁ・・・しょうがないか。
     ただ、こっちも命を掛ける仕事だ。
     どうせだったら、
     それなりの報酬は希望したいな」

ヴァイゼ:「この期に及んで!」

ソルシェ:「構いません」

ヴァイゼ:「陛下・・・」

ソルシェ:「エーレ殿、何をご所望なのですか?」

エーレ:「そうだな・・・」

ルチオ:「(食い気味)これならどうでしょう? 
     彼がこの仕事を成功した暁には
     私も一緒にグランフェルの持ち主を探す、
     というのは」

ツェッカ:『ぇ!?』

ポラリス:「せ、先生、本気ですか!?」

ルチオ:「勿論です」

チェレネ:『話は纏まったようですね』

エーレ:「・・・俺の話は通す気ゼロか」

ツェッカ:『ご愁傷様』

ルチオ:「そうと決まれば早速行動です。
     陛下、彼をお借りしてもよろしいですか?」

ソルシェ:「えぇ、構いませんよ」

ルチオ:「ありがとうございます、それでは」

エーレ:「え、もう行くのか? 
     気が早いな」

ソルシェ:「エーレ殿」

エーレ:「・・・?」

ソルシェ:「王女を・・・、
      娘を、どうかお願いします」

エーレ:「・・・分かりました。
     陛下の笑顔のために一肌脱いできますよ」

ツェッカ:『も、申し訳ありません』

ソルシェ:「いいえ、愉快な方ですね」(微笑)

エーレ:「お褒めに預かり光栄です」(お辞儀をしてみせる)

ルチオ:「陛下、失礼致します。
     ポラリス、魔方陣の準備を」

ポラリス:「は、はい!」

ツェッカ:『女神の加護を』(お辞儀をする)


(見送る)

チェレネ:『よろしいのですね』

ソルシェ:「はい・・・。これも運命、なのですから」

ヴァイゼ:「しかし、もし見つかったとしても
      神具と引き合わせることになれば・・・」

ソルシェ:「分かっています。分かっていますよ」

ヴァイゼ:「・・・っ陛下」

ソルシェ:「私も・・・一国の王以前に、
      一人の母親なのですね。
      今はアルシャディアの危機よりも
      娘の事ばかり考えています。
      どうか、無事に戻って来て下さい」

チェレネ:『女神のご慈悲を』

ヴァイゼ:「姫様は、私がお守りします」

ソルシェ:「その時は頼りにしていますよ」(遠くを見つめている)




≪空中都市ソミュアへの道≫




ポラリス:「これからこの魔方陣を使って
      ソミュアまで一瞬で転移します」

ツェッカ:『不思議な方陣。
      今の魔法って凄く進んでいるのね』

ポラリス:「人々の日常生活をより良い形に発展させる事
      それが僕たちの仕事なんですよ」

ツェッカ:『お仕事?』

ポラリス:「はい。これから向かう空中都市ソミュアは
      魔学研究機関ヴァールハイトハルクがある
      王国一の最先端都市なんですよ」

ツェッカ:『マガク・・・研究、キカン?』

ポラリス:「僕と先生はそこの研究者なんです」

ツェッカ:『そう、なの』(余り分かっていない)

エーレ:「そーだ。ルチオ、だっけ?」

ポラリス:「ちょ、ちょっと貴方! 
      先生を呼び捨てとはどういう」

ルチオ:「(遮る)ポラリス、構わないです。
     同じ穴の狢ならば、
     この際格差など関係ありません」

エーレ:「それは助かる。
     んで、さっきは結構強引に話を進めたけど
     本当なのか?」

ルチオ:「嘘偽りはありませんよ。
     姫君の宛て、に関しても」

エーレ:「そりゃ、仕事が難なくこなせそうだな。
     それで・・・俺はどうすれば良いんだ?」

ルチオ:「まずは周りから固めて行きましょう
     形振り構わず接触して
     何か問題があってからでは遅いのですから」

ツェッカ:『問題って?』

エーレ:「あぁ、一筋縄じゃいかないって事さ」

ツェッカ:『ふぅん・・・』

ルチオ:「そういうことです。
     先ずは共和国ランガルトの中心部となる
     首都フラーテルに向かってください」

エーレ:「ん、フラーテルか」

ルチオ:「念の為こちらから書状は送っておきますが、
     私の名前を出せば言わずとも語ってくれるでしょう」

エーレ:「成る程。
     っで、俺らは誰に会いに行けばいいんだ?」

ルチオ:「ギルド、氷山の熊(イスベルグ アルクトス)団長
     ヌーヴェン=モンタスという男性です」





チェレネ(N):『明かされて行く存在、
       そして新たに現れる存在・・・
       光と闇が動き出した今、
       貴方は何を思う、女神ヴァレスティアよ』






ソルシェ:「次回『Histoire of Eternto(イストワール オブ エテルノ)』
       第10話 」

ルチオ:「故郷、ですか。
     私にもそんな物がありましたね」

ポラリス:「先生が名家のご出身だったなんて、
      驚きました」

ルチオ:「正直、言われるまで忘れてましたよ」

ポラリス:「へっ!? 
      先生に限ってそんな事が・・・」

ルチオ:「冗談ですよ」

ポラリス:「うぐっ」

ツェッカ:『ねぇねぇ、いっつもこんな感じ?』

ルチオ:「えぇ、非常に息抜きになりますよ」





to be continued...?


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永久の夢~とこゆめ~ 台本置き場












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